会長挨拶 読み込まれました

総会長挨拶

代表総会長挨拶

浜松医科大学
総合人間科学講座法学
教授  大磯 義一郎

 第8回日本医療安全学会学術総会の代表総会長を拝命いたしました。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、第6回、第7回大会と連続してオンライン開催となっており、会員の皆様同士が顔を合わせて議論する機会を設けることができず残念に思っています。
 医療は、医療者と患者との信頼関係の上に成立するものであり、基盤となる信頼関係を構築するためにはコミュニケーションが重要となります。医療安全も同様に、現在では、医療チームとしての力を高めることが安全性向上のために重要であると考えられるようになり、医療チーム内でのコミュニケーションを円滑にすることが求められています。
 一方で、人は予期せぬ不幸な事態が発生すると、ストレス反応として攻撃的行動をとります。間近くは、新型コロナウイルス感染拡大による不安から、感染者やその家族に対する攻撃、ならびに、未知のウイルスの感染対応をしている医療従事者、そして、その家族への攻撃がなされました。そして、このような事象は、本学会の対象である医療安全領域でも同様に生じました。これらの攻撃は、人が人であるが故に生じてしまうことであり、不安を感じた個々人の気合や根性、ましてや攻撃し返すことで解決できる問題ではありません。
 ただ、だからといって現場で働く医療従事者に、只々我慢を強いるということも許されるはずがありません。WHOは、2020年度 World Patient Safety Dayのテーマとして、「Health Worker Safety : A Priority for Patient Safety」を掲げ、「Keep health workers safe to keep patients safe」において、「医療従事者を安全に保たない限り、いかなる国、病院、診療所においても患者を安全に保つことはできない」とし、各国政府に対し、医療従事者の健康、安全、福祉を確保するための法的、道義的責任があること、そのための具体策として、安全のため適切な人員配置、事故報告書によって罰せられることのないよう法的、行政上の保護、及びオープンなコミュニケーションを通じて非難のない公正な労働文化を確立すること、ワークライフバランスやリスク評価、軽減に関するアドバイス等、医療従事者への精神衛生及びソーシャルサポートサービスへのアクセスの提供等を求めています。
 どうしたら我が国に公正な医療安全文化を導入することができるのか。その鍵は、やはり、コミュニケーションだと考えます。本学会は、多職種、学際的な学会です。第8回学術総会はできる限り現地開催を目指し、浜松の地で様々な専門性を持つ会員の皆様同士が顔を合わせ、熟議し、わが国の医療安全の発展に資する発信ができたらと考えております。
 チーム医療安全学会が我が国の医療安全を牽引する組織へと発展していけるよう、多くの会員の皆様の参加をこころよりお待ちしております。

共同総会長挨拶

獨協医科大学病院
医療安全推進センター
教授  辰元 宗人

 第8回日本医療安全学会学術総会の共同総会長を大磯義一郎先生、井手口直子先生と共に担当させていただくことになりました。第6、7回総会は、残念ながらWEB配信になってしまいましたが、2021年11月現在、新型コロナウイルス感染症の第5波は収束しましたので、第8回総会は現地開催になると信じています。
 本学術総会のテーマは「Keep health workers safe to keep patients safe」です。私は常々医療従事者と患者の健康と安全を保つために必要なこととして、医療従事者教育が欠かせないと考えています。本学術総会において、医療従事者の教育に焦点を当てることで教育の重要性や質の向上、新しい技術への取り組みを通して、皆様と考え、共有していけるよう願っています。
 折しも、日本医療安全学会は、長年功労された酒井亮二理事長が退任され、大磯義一郎新理事長の元、組織が再編されている過渡期にあります。教育に関しては、学術委員会の下部組織として、医療安全教育研修検討部会をはじめとする19の部会が2021年度から始動となりました。医療安全教育研修検討部会では、卒前教育としての医学教育における医療安全教育をテーマにしたシンポジウムを企画しています。多職種の領域に跨る他の部会においても、医療従事者への教育に関した発信やアイデアが生まれてくることを大いに期待しています。
 また、コロナ禍において、現地研修からリモート研修へ移行したことによるメリット、デメリットがあったと思います。当方の勤務先では、院内で出来る教育として3DVRを用い、全教職員対象とした急変対応場面の医療安全教育を試験的に行いました。本学術総会(浜松)において、直接、皆さまにも体験していただきたく準備を進めております。
 多くの職種の方に参加いただき、多くの意見が交換される会を目指しておりますので、皆様のご参加をお待ちしております。

共同総会長挨拶

帝京平成大学薬学部
教授 
大学院薬学研究科
教授
   井手口 直子

 この度、第8回日本医療安全学会学術総会の共同総会長を大磯義一郎先生、辰元宗人先生と共に担当させていただくことになりました。3年ぶりに浜松アクトシティでの現地開催を目指し、鋭意準備を進めております。
 常に発展変化する医療技術と多様な患者へ対応する医療従事者は、常に予断ない状況で最高水準の仕事を求められます。
 さらに、2020年からの新型コロナウィルスの感染拡大の波は、我が国のほぼ全ての産業、生活に大きな影響を及ぼしました。 しかし、そのような状況下でも医療従事者は通常業務を行いながら感染予防、そして感染者への対応に全身全霊で尽力してきました。
 また、コロナ渦での生活、活動は、多くの制限がありましたが、我々一人ひとりが「何が本当に大切で、無くても良かったものが何だった。」ということをはっきりと実感したのではないでしょうか。
 本大会のテーマである「Keep health workers safe to keep patients safe:患者の安全を守るために医療従事者の安全を守る。」は、我々の使命と立ち位置、環境、そして行動を再度見直し、患者安全と医療従事者の安全という両翼を整えるエネルギーを得る機会となるはずと存知ます。
 大磯義一郎新理事長の元、本学会も新しい風が吹き込むかの如く、一層活き活きと我が国の医療安全教育、取り組みを支える新しい組織となってまいりました。
 本大会で先生方が多くの新しい知見を得、医療安全に活かして頂けますことを
心より祈念しております。

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